太田記念美術館・浮世絵の宝庫
流行のファッションやキャラクターグッズを求めて、若い人達で賑わっている東京、原宿。
時代の最先端を行っているような町の裏通りに、静かに建っているのが浮世絵専門の美術館、太田記念美術館なのです。
浮世絵は江戸時代に流行した、庶民のための絵でした。
大店のご主人が絵師に、日本画を描かせる絵画とは全く趣きが違います。
木版画なので大量に生産され、今の価値で言えば一枚300円とか400円くらいの値段で売られていました。
絵のテーマは風俗、暮らし、遊女や役者(今で言うブロマイドのようなもの)、風景、流行等、庶民の生活に沿ったものでした。
人々は競って浮世絵を購入しましたが、価値のあるものとは思っていなかったので、楽しんだ後は古新聞のような扱いになりました。
そのため外国へ船で輸出された品物の緩衝材(箱の中で品物が壊れないためのもの)の役目として使われたりしました。
木箱の中にくしゃくしゃと丸められて、沢山の浮世絵が欧米へ渡ってしまったのです。
欧米ではこの浮世絵に魅せられ、美術的価値をいち早く見出しました。
価値ある浮世絵が欧米にしかない事を嘆いた、東邦生命保険相互会社の元会長、故太田清藏氏は昭和初期から浮世絵の収集を始め、その数は12000点あまりにのぼります。
ですから太田記念美術館には浮世絵の代表作を網羅したものが、所蔵されています。
浮世絵に関してはこの美術館を超える所はないと言えるでしょう。
この美術館は常設展示はなく、企画展のみになります。
毎回テーマに沿った作品を約80点程、展示するようになっていて、一か月くらいの周期で変わるので、いつ行っても楽しめる美術館です。
ですが美術館のスケジュールを確認して、興味のあるものを目指して見に行ってもいいかもしれません。
美術館が所蔵している作品の数々は、本やテレビ等で見たことがあると思うものばかりです。
歌川広重の「名所江戸百景」の全作品や「東海道五拾三次」、美人画で有名な鈴木春信の「風流うたい八景」、葛飾北斎の「富岳三十六景」も所蔵しています。
また非常に価値の高い、葛飾北斎の肉筆画(版画ではない)の「雨中の虎」もあります。
しかも江戸時代の庶民の生活を描いた浮世絵を通して、色々と解説してくれる講座も土曜日に開かれています。
江戸時代の文化や庶民の暮らしがどのようなものか、また浮世絵とはどういうものかと言ったことが学べるようになっています。
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