山種美術館・日本画名品の宝庫
山種美術館は1966年に山種証券(現SMBC日興証券)の創業者、山崎種二が収集した日本画を元に創設された日本画専門の美術館です。
日本画と言っても江戸時代等ではなく、明治以降の画家に絞って収集されています。
2009年には渋谷区広尾に移転し、威風堂々たる美術館となっています。
山崎種二は自分と同年代の画家たちと親しく交流を持ちながら、その画家たちから絵を購入するという方法をとっていました。
その中には横山大観、上村松園、川合玉堂、東山魁夷等が含まれ、そうそうたる画家ばかりなのです。
そういった画家から直接絵を購入するわけですから、偽物をつかまされるという事は皆無なのです。
しかもそれらの画家たちは、山崎種二ならという気持ちで、かなりの自信作を渡しますので、この美術館の日本画は、それぞれの画家の代表作となるものばかりになっています。
ですが交友を持てなかった数少ない画家の1人が速水御舟で、山崎種二が絵の収集を始めた時には、速水御舟はこの世を去っていました。
しかし山崎種二の息子である山崎富治が、御舟の作品が大好きだった種二のために、土地等を処分して、速水御舟の作品を一括購入しました。
そのため速水御舟の作品は他の美術館の追従を許さない程の数を所蔵しています。
ではこの美術館の目玉と言える、日本画を紹介しましょう。
速水御舟の「炎舞」は御舟の最高傑作と言われており、重要文化財に指定されています。
めらめらと赤く燃える火とそれに群がる蛾を描いています。
御舟は焚き火の火を何度も観察したり、蛾を描くために、採集した蛾を熱心に写生しながら、絵のイメージを高めて行ったようです。
幻想的で美しい、引き込まれてしまような絵です。
同じく御舟の「名樹散椿」も重要文化財に指定されています。
京都のお寺の古い椿を描いたものですが、金の粉を一面に撒いて仕上げられています。
見事に咲いた椿の花が散って行く様子は本当に見事です。
竹内栖鳳も日本を代表する日本画家ですが、特に動物を描かせたらその匂いまで見るものに伝えると言われる程の技量を持っています。
その栖鳳の代表作というのが愛猫を描いた「班猫」です。
翡翠のような猫の青い目が印象的で、柔らかい猫の毛の手触りさえ感じられる絵になっています。
この「班猫」は、2020年9月19日から11月15日まで、特別展で見ることが出来ます。(状況により日時は変更になる場合もあります)
竹内栖鳳「班猫」とアニマルパラダイスという特別展になっています。
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