サントリー美術館の国宝・「浮線綾螺鈿蒔絵手箱(ふせんりょうらでんまきえてばこ)

サントリー美術館の国宝・「浮線綾螺鈿蒔絵手箱(ふせんりょうらでんまきえてばこ)

サントリー美術館は、1961年にサントリー株式会社によって、丸の内に創設された美術館です。
2007年には東京、六本木の「東京ミッドタウン」の中にリニューアルオープンしました。
この美術館の一環したコンセプトは「生活の中の美」です。
絵画や陶磁器、漆工、染色等、国宝1件、重要文化財15件、重要美術品21件を含む、約3千点あまりの名品が所蔵されています。

 

サントリー美術館は常設展示をすることはなく、企画展が主になっていますので、いつも新鮮な気持ちで楽しむことが出来ます。
ですが目当てのものを見たい場合は、美術館のスケジュールを確認して行くことになります。

 

また美術館の6階には「玄鳥庵」という茶室があり、企画展開催中には茶室で抹茶と和菓子を味わうことが出来ます。(木曜日のみです)
美術品をゆっくり堪能した後に、しみじみとお茶を楽しむのも良いでしょう。
50名限定ですので、早めに受付で点茶券を購入する必要があります。

 

サントリー美術館の目玉である国宝ですが、それは「浮線綾螺鈿蒔絵手箱(ふせんりょうらでんまきえてばこ)」です。
手箱というのは平安時代以降、高価な化粧道具等大切なものを入れる箱として使われて来ました。
次第に手箱としての役目を果たすというよりは、美しい箱としての価値に重きをおくようになって行きました。
その美しく飾られた箱は「玉手箱」と呼ばれて、大事にされて来ました。

 

サントリー美術館所蔵の「浮線綾螺鈿蒔絵手箱(ふせんりょうらでんまきえてばこ)」は、鎌倉時代の手箱で、北条政子(源頼朝の正室)がとても大切にしていたものだと言われています。

 

大きさは幅36.1cm、奥行26.1cm、高さ23cmです。
外側は一面に金粉が蒔かれていて、豪華です。
螺鈿(貝殻の内側、真珠層の部分を漆器にはめ込んでいく技法)により、浮線綾文という文様を箱全体にほどこしています。
この手箱には夜光貝の螺鈿が使用されていて、微かに虹色が感じとれます。
内部は布張りですが、箱の裏側には美しい蒔絵が描かれています。

 

この「浮線綾螺鈿蒔絵手箱」は、2020年7月22日から9月13日まで展示されることになっています。
美術館がリニューアルされて、その最初となるリニューアル・オープン記念展となっています。

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