国立西洋美術館・世界文化遺産の美術館

国立西洋美術館・世界文化遺産の美術館

国立西洋美術館は、東京の上野恩寵公園の中にある美術館です。
実業家、松方幸次郎が私財を投げうって20世紀の初めに収集した、西洋美術の数々が所蔵されています。
印象派の絵画やロダンの彫刻等、約5,500点にのぼります。

 

この美術館に所蔵されている美術品も素晴らしいものばかりなのですが、この美術館の一番の特徴は、建築が世界文化遺産に登録されているという点なのです。
四角い形の一見地味な印象さえ与える建築ですが、これを設計したのが、近代建築の三大巨匠の1人、ル・コルビュジエなのです。

 

ル・コルビュジエが美術館の設計をするようになったのには、理由があります。
実は松方幸次郎が収集したコレクションの一部は、戦争中にはフランスやイギリスの倉庫に保管されていました。
ですが日本が戦争に負けたので、フランスにあったものは、そのままフランスに没収されてしまったのです。
その後それらのコレクションを日本に返還してもらおうという事になったのですが、フランス側は承知はしたものの、条件として、それらのコレクションを展示する美術館を造るようにというものでした。

 

それでル・コルビュジエの元で学んだ弟子が日本に3人いることが分かり、その関係でル・コルビュジエに設計してもらい、美術館を造るということになったのです。

 

この美術館は1階部分に壁がなく、ピロティという柱で建物を支えるという構造になっています。
これは今ではよく見られる建築様式で、1階が駐車場等になっているような、1階に空間がある建物です。
ですがこういう建物を初めて設計したのはこのル・コルビュジエだという事です。

 

この貴重な建築を詳しく説明しながら建物内を案内してくれる、建築ツアーも第二、第四日曜日に開催されています。
建築に詳しくない人でも、よく理解できるように説明してくれます。

 

もちろん、この美術館は建物だけがすごい訳ではありません。
常設展示室では、エル・グレコの「十字架のキリスト」、モネの「睡蓮」、ピカソの「アトリエのモデル」等、有名な絵画を見る事が出来ます。
また前庭にはロダンの彫刻「考える人」や「地獄の門」等があり、見ごたえ満点です。

 

また所蔵している絵画だけでなく、年に数回企画展が行われています。
企画展においては、過去にミケランジェロ、ラファエロ、ゴッホ、ピカソ等の傑作が展示されて来ました。

関連ページ

五島美術館の国宝・源氏物語絵巻
東京都の観光温泉イベントなどの紹介
静嘉堂文庫美術館の国宝・曜変天目茶碗
東京都の観光温泉イベントなどの紹介
東京国立博物館・名品の宝庫
東京都の観光温泉イベントなどの紹介
サントリー美術館の国宝・「浮線綾螺鈿蒔絵手箱(ふせんりょうらでんまきえてばこ)
東京都の観光温泉イベントなどの紹介
山種美術館・日本画名品の宝庫
東京都の観光温泉イベントなどの紹介
太田記念美術館・浮世絵の宝庫
東京都の観光温泉イベントなどの紹介
国宝と重要文化財の違いって、何ですか?
東京都の観光温泉イベントなどの紹介
アール・デコ様式の東京都庭園美術館
東京都の観光温泉イベントなどの紹介
三菱一号館美術館・レトロな赤レンガの美術館
東京都の観光温泉イベントなどの紹介
大倉集古館・独特の中国建築と国宝
東京都の観光温泉イベントなどの紹介
出光美術館の国宝・「伴大納言絵巻」
東京都の観光温泉イベントなどの紹介