静嘉堂文庫美術館の国宝・曜変天目茶碗

静嘉堂文庫美術館の国宝・曜変天目茶碗

静嘉堂文庫美術館は東京の世田谷区にある美術館で、二子玉川駅から車で10分程の所にあります。
東京とは思えないような、森の中にある美術館なのです。
しかも正門を入ってから、途中に小川もある木々の間の道を歩いて数分、ようやく美術館にたどり着きます。
タクシーで来ても正門前で降りて(タクシーは門の中へも入れますが)、そこからは歩いて行く事をおすすめします。
静かな木立の道を歩いて行くと心がしんと鎮まりますし、またイギリス風洋館造りの美術館が深い緑の木々の間から見えてくるのも素晴らしいです。

 

この美術館は、三菱財閥の第二代社長の岩崎彌之助と第四代社長の岩崎小彌太の父子が2代にわたって収集した、日本と東洋の古美術の名品が6,500点も所蔵されています。
そのうち国宝7点、重要文化財87点が含まれています。

 

国宝は絵画、茶道具、刀剣などがあり、その中でも茶道具である「曜変天目茶碗」が名品中の名品であり、必見です。

 

「曜変天目茶碗」というのは、12世紀から13世紀に中国の南宋時代に福建省の建窯で作られた焼き物です。
世界でも類を見ない程美しい芸術的価値を持ったものですが、現在では世界中で3個しかなく、しかもその3個がすべて日本にあるのです。
この3点は大阪の藤田美術館、京都の大徳寺龍光院、そしてこの静嘉堂文庫美術館にあります。

 

「曜変天目茶碗」は直径12センチの黒い茶碗なのですが、窯の中で焼いているうちに、美しい光彩が生まれ、漆黒の中にまるで宇宙のような光輝く斑紋が出来た茶碗なのです。
「小椀の中の大宇宙」とも称されていて、神秘そのものです。
このような焼き物は作ろうと思っても作れるものではなく、再現することは不可能だと言われています。

 

特に静嘉堂文庫美術館が所有するものは、3椀の中でも光彩がはっきりしていると言われています。
2019年には3椀が同時期に公開されるという、催しがありました。
京都の大徳寺龍光院のものは、殆ど展示するということはしてこなかったので、3椀同時公開というのは、異例中の異例のことでした。

 

静嘉堂文庫美術館は、一般の美術館のような常設展示はありません。
展示会が開かれている期間以外は休館となっているので注意しましょう。
この「曜変天目茶碗」においては、丸の内の三菱一号美術館で、今年の夏に「三菱の至宝展」で展示される予定でしたが、中止となりました。
来年の夏には開催される予定ですので、その時を逃さず見に行きましょう。

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