アール・デコ様式の東京都庭園美術館

アール・デコ様式の東京都庭園美術館

東京の白金台にある東京都庭園美術館は、アール・デコ様式の建物(本館)と、その前に広がる庭園が美しい美術館です。
すぐ隣りが自然教育園なので、その周辺いったいが緑に囲まれたステキな環境になっています。

 

この美術館は国内外の色々な美術品や宝飾品、工芸品などを企画して展示しています。
その展示会も楽しめるのですが、この美術館はやはり本館のアール・デコ様式の建築を堪能出来るというのが、一番の魅力と言えるでしょう。
建物は重要文化財にも指定されています。

 

この美術館は1929年から1933年にかけて完成した、旧皇族の朝香宮邸だったものです。
朝香宮鳩彦王(あさかのみややすひこおう)は1922年からフランスに留学していたおり、交通事故に遭い、1925年までの3年間フランスに長期滞在することになりました。
その時代のフランスはアール・デコの最盛期でした。
ご夫妻は当時の最先端のアール・デコ様式の建築、家具、工芸品などを熱心に見て回ったようです。

 

アール・デコというのは、装飾美術という意味があり、単純化された直線的、または幾何学的なデザインが特徴です。
1920年代から1930年代にかけてヨーロッパやアメリカで大流行となりました。

 

朝香宮夫妻は日本へ帰国してから、アール・デコ様式を取り入れた邸宅の建設に着手しました。
基本的な設計は宮内省の内匠寮(たくみりょう)に所属する建築家が担当しました。
内装や装飾はアール・デコ博覧会で活躍したインテリアデザイナーのアンリ・ラパンが行い、アール・デコにとことんこだわった内装になっています。

 

ガラスや大理石、タイルも見どころが満載です。
まずは正面玄関の扉のガラスに、並んで描かれた女性像に、目を奪われるでしょう。
これはガラス工芸家のルネ・ラリックの作品です。

 

1階の大客室の扉のガラスはマックス・アングランによるエッチングガラスで、幾何学的に表現した植物が描かれていて、印象的です。

 

部屋の天井に吊り下げられているシャンデリアも、ルネ・ラリックによるもので、いかにもアール・デコ様式の幾何学的なデザインが素晴らしいです。

 

大食堂の壁には彫刻家、イヴォン=レオン・ブランショによるレリーフが施されています。

 

建物に興味のある人なら、何時間でもじっくり眺めながら部屋を巡りたくなる美術館です。

 

庭園も素晴らしいです。
芝庭、日本庭園、西洋庭園と、3種類楽しめるようになっています。

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