大倉集古館・独特の中国建築と国宝

大倉集古館・独特の中国建築と国宝

東京の虎ノ門駅から5分程の所にある美術館の大倉集古館。
ホテルオークラに隣接した美術館で、実業家大倉喜八郎が1917年に設立した、日本で最初の私設美術館です。
大倉喜八郎が収集したものとその息子大倉喜七郎が収集した、日本と東洋の古美術品の数々が収蔵されています。
収蔵品は約2500件にのぼりますが、そのうち国宝3件、重要文化財13件、重要美術品44件が含まれています。

 

この大倉集古館は、その建物からして堂々とした中国風の屋根がかなり強い印象を与えます。
明治から昭和にかけて活躍した伊東忠太が手掛けた建築です。
世界中を巡って様々な建築物を見て来た建築家ならではの発想で、一種独特の中国建築になっています。
建物は登録有形文化財にも指定されています。

 

伊東忠太の建築には、様々な場所に空想上の動物や怪獣の像があしらわれているのも特徴です。
思いがけない所で出会うので、探しながら館内を巡るのも面白いかもしれません。

 

また建物の周りをぐるりと取り巻くように、ひたひたと水をたたえた水盤が設置されています。
その水盤の周りには中国の風景を思わせるような大きな柳が植えられています。
この建物内部にしろ、建物を巡っている風景にしろ、ちょっと異次元の世界に入り込んだような感じになります。

 

この建物は免震構造の地下階を増築するために、2014年からリニューアル工事のために閉館になっていましたが、2019年にリニューアルオープンしました。
実に5年もかけての工事だったという訳です。

 

この美術館の国宝の1つであり、目玉となっているのは、平安時代の「普賢菩薩像」です。
普賢菩薩が白象の上の、蓮の台座に座って合掌しているという木造の彫刻像です。
日本の仏像彫刻像の中でも最も優雅で美しいと言われており、気品のあるやさしい顔が印象的です。
作者が誰であるか等伝来は不明なのですが、この像の類まれな美しさや出来栄え等から考えて、平安時代の皇族や貴族からの依頼で造られたものかもしれないと推察されています。

 

この仏像は大倉集古館がリニューアルする前は、常設展示されていたものですが、現在は常設とはなっていません。
国宝を常設展示していた、という方がびっくりですが、今はいつ展示されるのかは、美術館のスケジュールを確認するしかないかもしれません。

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